多くのお寺には、裏堂と呼ばれる空間があります。
お寺によって用途が異なるのかもしれませんが、
長寿寺においては、法要などで使う道具を保管する
場所として作られたようです。
いまは、3体の仏さまを安置していますがこれは、緊急避難的に
おまつりしていたのがそのまま定着してしまったようです。
平安時代に作られた聖観音菩薩です。かつては激しく破損していましたが、
30年ほど前に修復され美しいお姿がよみがえりました。
鎌倉時代に作られた地蔵菩薩です。座っておられる木造のお地蔵様
としてはかなり大きな仏さまになるのではないでしょうか。
左手にもっておられるのは宝珠、右手の杖は錫杖(しゃくじょう)
といいます。
長寿寺中興の祖と伝わる、藤岡聖珊というお坊さんです。
どういった方なのか、詳しいことは伝わっていませんが、
頭にかぶっておられる布(天台宗では帽子といいます)
の被り方からいくと、天台宗においてかなりの地位にいた
方なのではないかと思っています。