秘仏の仏様のおまつりの仕方にはいくつかのパターンがあります。
多くみられるのは、ご本尊を同じお姿の仏像(お前立ち)をお厨子の
前に安置するものですが、長壽寺はこの形式をとりません。
長寿寺ではお厨子の前に鏡を配置し、さらに内陣の結界上部には
お厨子の中のお姿を描いた円形の板(鏡板)を吊るします。
「懸仏(かけぼとけ)」といわれるこのおまつりの仕方は、
神仏習合の考え方を踏まえたもので、秘仏をおまつりする形式としては
大変、古いものになります。
お厨子の中を表すこの懸仏ですが、ご本尊の子安地蔵菩薩は真ん中に、右は聖観音菩薩、左は毘沙門天が描かれています。
ちなみに、全国で一番、懸仏が多く残されているのが滋賀県だそうですよ。