長寿寺には室町時代に作られたとされる宝篋印塔(ほうきょういんとう)があります。
しかし、およそ45年前に盗難にあい、多くの部品が失われ原型がどのようなものか
わからなくなっていました。
ところが先日、「近江の石造遺品」(池内順一郎著)という本のなかで、長寿寺の宝篋印塔
が記録されているのを偶然見つけたのです!!
左の写真が現在の様子、右の図が健在であったころの様子です。
きれいな形の塔だったのだなぁとしみじみしてしまいました・・・
宝篋印塔とは、宝篋印陀羅尼というお経を納める供養塔で、仏さまの仏舎利そのもの
として信仰されました。そして、この塔をお参りすると輪廻を繰り返すなかで
私たちが積んできた重い罪が消滅し、この世ではあらゆる災害から免れ、
死後は必ず極楽浄土に生まれ変わるといった功徳があると信じられていました。
もう叶わないことかもしれませんが、すべての部品が当寺に戻りまたこの塔の
前で現世の安泰を願いお参りができたらと思います。