長壽寺だより

桜の花と父
2018.03.31

先代住職である父は、晩年、車イスで生活をしなければならなくなりました。

そのため、以前のように一人で本堂や境内に出ることができず、家の中で

過ごすことが多くなりました。

そんな暮らしの中で、私に言ったことがあります。

「春になったら、門の前の桜を見に連れてってくれな。」

もちろん・・と請け負っていたのですが、

2年前の3月21日、桜の開花直前に永眠いたしました。

今年も門の前の桜は満開になっています。咲き誇る桜を見るたびに

父に見せてやりたかったなぁ・・と寂しい気持ちになります。

人は咲く花や季節の移り変わりに、亡くした大切な人の面影を見るのかもしれません。

私はこれから先も、門の前の桜の花を見るたびに父を思い出すことになるのでしょう。