長壽寺が国宝に指定された所以は、その構造の珍しさにあります。
断面図を見ると、本堂内部に三角屋根が二つ並んだ構造をしていることが分かります。
大きな屋根の下に二棟の建物を並べて配置しています。
このような建築形式を採っているのは、かつて正堂(仏像を安置するお堂)と礼堂(お参りするお堂)を別々に建てた
双堂(ならびどう)の形式を踏襲しているためです。この双堂形式を残す本堂はほとんど現存しておらず、奈良の當麻寺さんや
福井の妙楽寺さんなど数例のみです。
本堂に入られたらぜひ屋根にも注目してください。
外陣の屋根。船をひっくり返したように見えるので「船底天井」とも呼ばれます。